夜勤専従看護師にはある程度のスキルが求められます。特に重要なのは、基本的な看護スキルです。夜勤の現場は、ほとんどの場合少人数で回しています。部署の規模によっては1人で働くこともあるでしょう。そのため、看護師としての豊富な知識を有し、十分な経験を積んだ人材が求められます。採血やルートキープ、吸引などの最低限の看護スキルは必須です。2~3年以上の臨床経験のある看護師が採用される傾向にあるため、経験の浅い看護師がいきなり夜勤専従で働くのは難しいでしょう。
夜勤中は予期せぬ出来事が起こる可能性があります。そのため、夜勤専従看護師には正確な判断力が求められます。人数が少ないからこそ、臨機応変かつ最適な対応をしなければなりません。職場によっては、夜間に医師が常駐していないこともあります。その場合、患者が急変した際の判断は夜勤専従看護師に委ねられます。病棟勤務であっても、即座に対応できる判断力が求められます。限られた情報と時間の中で、優先事項を即座に判断できる看護師が求められる現場です。日中の患者の様子を見ていないので、交代制で働く看護師より判断が難しくなる点も考慮しなければなりません。
患者の日中の様子や状況について、日勤の看護師から情報を集める必要があります。そのため、コミュニケーションスキルも求められます。夜勤専従看護師が日勤の看護師と話すタイミングは限られます。限られた時間の中でより多くの情報を入手できるように、コミュニケーションを取っていかなければなりません。面倒な人間関係に悩まされない点が夜勤専従のメリットではありますが、業務上必要な情報を聞き出すコミュニケーションスキルは必須です。
また、夜間は患者のメンタルが不安定になることが多いため、患者のメンタルケアも重要な仕事の1つです。患者に対する配慮や、状態の変化を見落とさない観察力が求められます。
このように、夜勤専従看護師には様々なスキルが求められます。特殊な環境で働くからこそ、プロフェッショナルとしての意識を常に持って取り組まなければなりません。そのため、看護スキルだけでなく、夜勤専従看護師としての責任感も必要です。夜勤のプロフェッショナルとして、「いざという時は自分が何とかする」という責任感を持ち、仕事に取り組む姿勢を忘れないことが大切です。また、生活リズムを一定に保てるとはいえ、体力的な消耗が激しい現場です。日頃から体調管理を徹底し、仕事に支障が出ないようにしなければなりません。